じゃのめでおむかいうれしいな

nagagutsu

芒種とは稲や麦など穂の出る植物の種を蒔くころのこと。稲の穂先にある針のような突起を芒(のぎ)というのだそうです。

また紫陽花が咲き、梅の実が青から黄色に変わり、百舌が鳴き始めます。かまきりや蛍が現れ始める頃でもあります。

そして、この時期を境に次第に梅雨めいて、いわゆる五月雨(さみだれ)の時期へと入っていきます。梅雨と書くのは梅の実が熟す時期に降る雨だから。言葉ひとつひとつにも季節を感じるのは、日本人の豊かな感性がなせる技と言えそうです。

あめあめ ふれふれ かあさんが
じゃのめで おむかい うれしいな
ピッチピッチ チャップチャップ
ランランラン

北原白秋が作詞した、この「あめふり」の歌が発表されたのは、なんと1925年大正14年のこと。ストーリーと楽しいリズムで、今でも色褪せずに歌い継がれています。じゃのめを傘に変えれば、ほらどこかの幼稚園や小学校で、この梅雨の時期、きっとこんな光景を見ることができますね。

投稿者: 望月 恭子 (季節のあるきかた編集部)

出版社勤務、フリーエディターを経て、出版・広告の企画・制作会社を設立、昨年創立25周年を迎えた。食品、美容、ファッションなど女性や生活に関わるテーマを幅広く扱う。編集を手がけた書籍、ムック本は40冊を越える。現在、専門学校で若い世代にマーケティングの基本などを教えている。