小満とは、いのちが、しだいに満ち満ちていくころのことを言います。
日一日と、上昇する気温に合わせ、万物の成長の著しい時期、ようやく暑さも加わり、麦の穂が育ち、山野の草木が実をつけ始め、紅花が盛んに咲き乱れます。西日本では走り梅雨が見られるころですが、沖縄ではこの小満を待たずに梅雨入りとなります。
『夏は来ぬ』
卯の花の 匂う垣根に
時鳥(ホトトギス) 早も来鳴きて
忍音(しのびね)もらす 夏は来ぬ
さみだれの そそぐ山田に
早乙女が 裳裾(もすそ)ぬらして
玉苗(たまなえ)植うる 夏は来ぬ
この『夏は来ぬ』の歌詞は、古典文学者により作詞された19世紀の古い歌曲ということもあり、普段聞き慣れない固い歌詞となっていますが、平成のこの時代に聞くと、まるでプロジェクションマッピングのように、懐かしい風景が目の前に広がっていくような感じがします。