西海にサケなし、東海にこの魚なし

イラスト:鈴木勝久
イラスト:鈴木勝久

春から初夏への移り変わりを告げるこの魚は、漬け魚の代表的な素材になります。
「西海にサケなし、東海に__なし」といわれるように西日本に多く、古くから好まれてきた関西では高級魚として懐石料理にも使われます。
下線部にふさわしい、この魚を選びなさい。

①イボダイ
②ハガツオ
③マナガツオ
④メダイ

【解答】③マナガツオ

【解説】春から初夏にかけて、漁獲のピークを迎えるマナガツオは関東ではなじみが薄いものの、関西では高級魚として懐石料理などに使われている。身がやわらかく、味噌との相性が抜群によいマナガツオは、西京味噌(白味噌)に漬け込んだ西京漬けで知られる魚。
名前にカツオとつくが、カツオの仲間ではなく、干物でよく目にするイボダイ(関東ではエボダイ)の近縁種。その名の由来は、カツオのとれない瀬戸内海地方でカツオに見立てたことから、「真似鰹(まねがつお)」と呼ばれたのが転じたとも、食用の魚を意味した「真魚(まなざかな)」からきているともいわれる。
古くより、北東日本になじみ深いサケと対比されて「西海にサケなし、東海にマナガツオなし」といわれるように、マナガツオは西日本に多く、東日本にはいない魚だ。

尾山 雅一 (日本さかな検定代表理事)

投稿者: 尾山 雅一 (日本さかな検定代表理事)

平成21年、一般社団法人 日本さかな検定協会を立ち上げる。自ら日本各地をめぐり、検定の副読本執筆まで手がける魚食文化発信のエキスパート。 日本さかな検定(愛称:ととけん)とは、近年低迷が続く日本の魚食の魅力再発見と、地域に根ざす豊かな魚食文化の継承を目的として2010年から検定開催を通し、思わず誰かに伝えたくなる魚介情報を発信する取り組み。 2010年の第1回を東京・大阪で開催、2015年には全国12会場まで拡大。小学生から80歳代まで累計2万名を超える受検者を47都道府県から輩出。今年は6月25日(日)に札幌(初)・石巻・東京・静岡・名古屋・大阪・兵庫香美(かみ・初)・宇和島・福岡ほかの各会場で開催予定。