ひな祭りは、女子のすこやかな成長を願う日。ひな人形と桃の花を飾り、菱餅やひなあられ、ちらし寿司などを楽しみます。
ひな祭りの由来をひも解くと、ふたつの行事に行きつきます。ひとつは、中国から伝わった、邪気を払う風習。平安時代に宮中行事となり、「上巳の祓い」として、草木や紙でかたどった人形(ひとがた)を川や海に流す儀式が行われました。いまも日本各地で行われている「流し雛」は、この名残ともいわれます。
そしてもうひとつは、宮中で流行した「ひいな遊び」。幼女が「ひいな」と呼ばれる小さな人形(にんぎょう)を使っておままごとをして遊ぶ様子は、紫式部の『源氏物語』や清少納言の『枕草子』にも描かれます。このふたつが結びつき、江戸時代には現在に近い形で行われるようになりました。
♪あかりをつけましょぼんぼりに
この歌を聞いて思い出すのは、幼いころに母や祖母が歌ってくれた時のやさしい歌声。心身ともに健康に、幸せになってほしいという子どもへの願いは、昔もいまも、そしてこれからも変わらず続いていくことでしょう。