大暑 ~夏がくれば 思い出す

taisho-cover

梅雨が明けると、本格的な夏の到来です。それにしても二十四節気、小暑の次にくるのが、大暑だなんて。

思わず、連日の真夏日や猛暑日に「ほんとほんと、真夏ってこういうこと。確かに大暑だわ」と納得してしまいます。

そういえば昔の人はエアコンもなければ、日傘も、プールも日焼け止めも、なにもなかったわけですから、暑さを防ぐ術をさぐり、暑さを風情として味わうしか方法はなく。土用のうなぎも風鈴も花火も、ああ、この暑さがあってこそと、むしろ存分に楽しむことにしてきたのではないでしょうか。

夏がくれば 思い出す
はるかな尾瀬(おぜ) 遠い空
霧のなかに うかびくる
やさしい影 野の小径(こみち)
水芭蕉(みずばしょう)の花が 咲いている
夢見て咲いている水のほとり
石楠花(しゃくなげ)色に たそがれる
はるかな尾瀬 遠い空

oze

この、「夏がくれば 思い出す はるかな尾瀬 遠い空」の歌い出しで親しまれる『夏の思い出』は、1949年に発表されました。NHKで放送されるや否や、瞬く間に多くの日本人の心をとらえたそう。それはだれもが持っている夏の原風景がここに描かれていたからなんですね。

さあ、夏休み、今年はどんな『夏の思い出』を作ることができるのか、子どもではなくても、いつもなんとなくわくわくする、そんな大暑のころなのです。