オリーブさんに気の合うお友達を

版絵 岩下加奈子
版絵 岩下加奈子

すーまんぼーすー(小満芒種)
沖縄の方言で梅雨を指します。どこより早い梅雨入りをしている沖縄県。小満から芒種時期が梅雨時期だからこう呼ぶんだそう。

関東でもなんとな〜く、雨マークが増える感じがする今日この頃。冬場はあんなに乾燥していたのに 木々の勢いとともに湿度もじんわり感じます。

わたしの沖縄といえば、やっぱりサーターアンダギー。

子供の握りこぶし程“沖縄ドーナツ”は、揚げたてが最高。カリカリをかじればジュワッとした油と甘い生地に酔いしれる‥至福の時が訪れます。カリカリがキープし難い梅雨時期に「後で食べよう」はダメなのです。

フクギ並木を抜ける風。海へ続く道を思い浮かべ、月桃の白い花から漂う甘い香りに酔いながら‥サーターアンダギー。なんて幸せなのでしょう。

梅雨入り前の関東人はこんな風に夏の風景を想像し、これから始まるジメジメな一ヶ月間の始まりが「いつ頃くるのか、いまか、いまか?いつ終わるのか?」と恐れているわけです。

揚げたてサーターアンダギーからのトスをうけ、話は無理やり繋がります。

オイルといえばオリーブオイル。今や不動の人気。
そして、この時期に花咲くオリーブの花。

版絵 岩下加奈子
版絵 岩下加奈子

日本で有名なのは小豆島ですが、降雪がなく(あってもごく僅か)日当たりの良い場所であれば案外うまく育つので昨今ますます人気が出ている「olive の木」は、5月下旬から6月中旬くらいが花の時期となります。

植えたからにはオリーブの実を収穫したいもの。ならば最低でも2鉢を置く事をお勧めします。品種違いを置いてあげましょうね。オリーブは違う品種同士で受粉させると結実します。

もう一つ。案外と知られていないけれど、すごく重要な秘密。
開花時期(受粉時期)に強い雨になるべくあてないこと。花が水分で腐ってしまいます。鉢物で管理しているなら雨を避けてあげるなど、花を湿らせた状態にしない事が結実を多くするコツです。雨の翌日がカラリ晴れるとは限りません。彼らは地中海っこですから。

小さなオリーブの花は本当に目立たない存在だけど、シルバーグリーンの葉っぱ合間にクリーム色の花連なり咲いている姿は微笑ましい限り。開花のその先に収穫があると思えば一層愛着だってわくというもの。

まだ間に合います。
もしもお宅のオリーブさんがシングルであれば、気の合う(開花時期が同じ時期の品種)お友達を呼んであげましょう。自家製オリーブオイルも夢ではないかも!?

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岩尾 真紀 (マリキータ東京フローリスト)

投稿者: 岩尾 真紀 (マリキータ東京フローリスト)

東京を拠点に活動する花屋/フラワーコーディネーター。主に企業のプロモーションや、広告、パーティー、レセプション装花や空間コーディネートを提案。1級フラワー装飾技能士、いけばな草月流師範、グリーンアドバイザー。美味しいもの、美しい物が大好きな人々があつまる"羽根木の森サロン"では定期的にお料理教室×花レッスンの五感で楽しむマリキータレッスンを開催。当サイトでの版絵は岩下加奈子(Mariquita)が担当。