青空の下で眺めていたいミモザアカシア

版絵 岩下加奈子
版絵 岩下加奈子

山肌に、公園の木々にエネルギーが充満しているのを感じます。冬には枯れ木と思っていた木々も、3月に入るといよいよ枝先が膨らみはじめ桜なら蕾、楓なら新芽がぷっくりと。この並々ならぬパワーは春の訪れを私に強く感じさせるのです。

六本木の東京ミッドタウン、仕事の合間に深夜の公園を歩いていた一昨日。街灯のひかりにほのかに照らされた満開のミツマタの花は宇宙人のご飯?と思うような個性的ないでたちに思わず足をとめました。昼間の花鑑賞もよいけれど、深夜や明け方に眺める花々は なんとも妖艶。

でもこの花だけは、
この花粉の塊だけのような愛おしい黄色い花だけは‥青空の下で思う存分眺めていたい。スカイブルーが似合う花、

それは、「ミモザアカシア」。

3/8はミモザの日としてヨーロッパ、特にイタリアの町中ではミモザの花であふれます。男性がた、老いも若きもミモザの花束を手に愛する女性(友人でも家族でも)に黄色いフワッフワのブーケを渡すのです。

香りはほんのり甘くって、所々に混ざるシルバーグリーン色の細かな切れ込みの葉っぱは子供のころに散々触っていじめた「オジギソウ」のような形にちょっぴり似ています。(というより、そもそもオジギソウがmimosaでありその葉っぱに似ているアカシアをMimosa Acaciaと呼んだとか!なるほど納得!!)

市場に出回るものは正式名で銀葉(ぎんよう)アカシアが主流です。

通称“ミモザアカシア”のファンは多く、最近は庭先に植えられているのをたまに見かけます。私のマル秘スポットは(都内のミモザ鑑賞スポット)南青山の裏路地、アトリエ近くのスペイン風なアパートの脇のもの。どちらもその建物のシンボルツリー的存在で高さは5メートルを超える立派な木。只今2分咲きです。

切り花で買うとふわふわの花時期が過ぎてもドライフラワーとして飾ってもおしゃれなので女性には大変大変人気のお花です。(けっこうあっという間に萎むけれどガッカリしないでくださいね。)

お酒好きならシャンパン×オレンジジュースの「ミモザのカクテル」を、食いしん坊ならゆで卵の卵黄部分を細かく散らした「ミモザのサラダ」を思い浮かべるのでしょうか?

版画の加奈子さん。
今回は花の中に茎を描くか、描かないかで頭をひねったらしく、「ミモザらしさ」を表現するには「茎は必要なし」と!脇役のムスカリが球根付きで可愛いですね。

版絵 岩下加奈子
版絵 岩下加奈子

世の男性、どうかミモザを見かけたら‥迷うことなく愛する人に1束お買い求めくださいまし!絶対に株が上がります。

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岩尾 真紀 (マリキータ東京フローリスト)

投稿者: 岩尾 真紀 (マリキータ東京フローリスト)

東京を拠点に活動する花屋/フラワーコーディネーター。主に企業のプロモーションや、広告、パーティー、レセプション装花や空間コーディネートを提案。1級フラワー装飾技能士、いけばな草月流師範、グリーンアドバイザー。美味しいもの、美しい物が大好きな人々があつまる"羽根木の森サロン"では定期的にお料理教室×花レッスンの五感で楽しむマリキータレッスンを開催。当サイトでの版絵は岩下加奈子(Mariquita)が担当。