12月の花市場は何かと忙しい。普段は生花を主に取り扱う私。だけど、ついつい鉢物の賑やかさに足を止めてしまいます。
お歳暮のシクラメンから始まり、クリスマスのポインセチア、冬至の柚子とお正月の千両、万両、小さな福寿草などなど。
正直、冬至の記事を書くのであれば一番に「柚子」の話ができたらいいのですが、まさにクリスマスとお正月の最中、花屋さん大奮闘の時期の為‥柚子湯もなければカボチャを食べるのだって弁当の中にある1切れをかじると言う状況。
では、ちょっとお正月ネタを。
昨今の市場は一年中季節関係なしにヒマワリが並び、チューリップは少しですけれど秋の終わりには市場に並び始めます。でもお正月花材だけは一年の今だけ。金銀の柳にピンクと白い餅がついた「餅花」、松の種類も様々で「蛇の目」「盛松」「根引き松」「大王松」‥などなど。地味だけど「ウラジロ」や「ゆずり葉」もお花市場で売っています。
昔からの縁起物がしっかりと流通していることに日本の文化を感じますね。でも‥消費量のせいか徐々に消えてゆくものも‥ある。それは、ちょっと物悲しい。
ここ数年不作続きだった千両が今年はとても豊作との嬉しい知らせ。でもその他「苔梅」などは生産者が減った事から随分と値段も上がっているのだとか。
なかでも需要が減っているのがオモト。「万年青」と書いてオモトと読む正月ならではの“縁起物”です。オレンジ色の丸い実にそれを覆う青々とした葉。古典植物であり風水では運気を上げる超開運アイテム。緑が絶えないつよさにあやかり「子孫繁栄」や「新居への移転祝い」そして「長寿祝い」など。(久能山東照宮には「萬年青」の彫刻が見事なので訪れる際にはぜひご覧を!)
そういえば、いけ花ではオモトを活ける時には10枚+実をつかうルールがある程のマニアックな植物です。
「パワースポットがあそこに!!」「お守りはここのがいいね。」などなど、皆さんそれぞれの“縁担ぎ”があるかもしれませんが、ぜひ2017年はみなさん開運祈願に「万年青」を贈りあってみませんか?
皆さんどんなお花を飾るのかな?と隣の芝生が気になります。
葉牡丹と菊は自宅用に紅白仕入れておきました。個人的には福寿草も好きですけれど!