”ほっこり系”が恋しくなる秋

版絵 岩下加奈子(Mariquita)
版絵 岩下加奈子(Mariquita)

お湯を沸かして1日が始まる。
ようやくそんな季節がやってきました。

つい先々週まではアイスコーヒーをググーッと飲んでいたけれど、こう寒くなってくるとミルクティーとかミルクココア、そしてカフェ・オ・レが恋しくなります。

お花を選ぶ色合いも、ちょっと変わってきました。9月にはリンドウのパキッとした青に赤のケイトウを合わせたかったけれど、10月にはいるとミルクティー色のバラとか菊とか、とにかくちょっとミルクがプラスされたような「ほっこり」系が恋しくなります。この心理は飲み物と一緒。

季節の花として、10月もっとも綺麗なのはやっぱり「菊」の花でしょうか。
栽培技術が発達したおかげで年中見る事のできる花ですが、やはり旬は寒露の頃。

今回の版画はポッテリとした菊、その名も「ミルクココア」という品種にフォーカス。ブラウンからベージュ系の花びらは輪形15cm程もあります。

版絵 岩下加奈子(Mariquita)
版絵 岩下加奈子(Mariquita)

菊のほとんどが秋咲き。日の長さが13時間以下になる花芽分化し12日から15日くらいで蕾がついて50日位で満開になります。植物って本当に気候の変化に沿って生きているのですよね。

沖縄や奄美半島などでは電照菊といって、日の長さをコントロールする栽培方法をよく見かけます。こうする事で開花を遅らせ1月から3月など時期をずらして出荷コントロールします。もちろんその逆、ビニールハウスで日を遮る事もあります。

市場でも、たまにしか見かけないけれど、あるとついつい買いたくなる。ミルクココア(菊)は、個性的で大きいからアレンジするのに頭を悩ませますけれど、こんな寒露の頃には少し色づいた紅葉の枝ものと合わせて大胆に活けてみたいですね。

先週私が仕入れたのはグリーン色をした菊「シャムロック」です。
オレンジ色のローズヒップとあわせて秋の花束を。(ミルクココアがなかったので‥。次回仕入れに期待!)

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水に浸かる部分には決して葉を残さず、小さな葉っぱを摘んで大きな葉っぱは半分くらい間引いてあげるとびっくりする程長く楽しめますよ。もちろんお水はいつも綺麗にしてくださいね!

さてさて、明日の朝はキャラメルティーに熱々ミルクを注ごうかな。
猫舌で‥と人生に一度くらい言ってみたい。鉄の舌を持つ私です。

岩尾 真紀 (マリキータ東京フローリスト)

投稿者: 岩尾 真紀 (マリキータ東京フローリスト)

東京を拠点に活動する花屋/フラワーコーディネーター。主に企業のプロモーションや、広告、パーティー、レセプション装花や空間コーディネートを提案。1級フラワー装飾技能士、いけばな草月流師範、グリーンアドバイザー。美味しいもの、美しい物が大好きな人々があつまる"羽根木の森サロン"では定期的にお料理教室×花レッスンの五感で楽しむマリキータレッスンを開催。当サイトでの版絵は岩下加奈子(Mariquita)が担当。