おヘソのかわりにイチジクを?

版絵 岩下加奈子(Mariquita)
版絵 岩下加奈子(Mariquita)

日中は蝉の大合唱、夜には鈴虫の声が混じり始めました。
もう9月ですね。

花の大田市場には「松の枝葉」が並んでいました。
そうなのです。これは正月用の広告関連撮影に使う為、秋の始まりまえにこういった現象が起こるのです。

今からが時期本番なのは秋の花々。ワレモコウ、リンドウ、栗の実がたくさん仲卸で売られています。実付いたナナカマドの紅葉なんかも早々並び始めていてちょっと季節が錯誤してしまいます。

私の好物イチジクも鉢植えで売っていましたよ。
処暑の旬の果実ですね。

処暑2

文字にもあるように、花を付けずして結実すると思われていることから「無花果」と名付けられた不思議な植物。

調べれば、「初夏、花軸が肥大化した花嚢の内面に無数の花(小果)をつける。このような花のつき方を隠頭花序(いんとうかじょ)という。」

ちょっと難しいのでなんの事やらと頭をひねりますが、要は‥花は実の中に隠れている訳で、「花を付けずに結実する」という事ではないのですね。

昔、先日の大雨のように雷さまの音が聞こえた際、「怖いよー」と怯える私に祖父(だったか父だったか)が「おヘソを隠しなさい。そうすればおヘソのかわりにイチジクを間違えて持って行っちゃうから。」と言っていたのを思い出します。

一体この物語(の根拠)は何だったのだろうか‥デベソの形とイチジクが類似しているから?? 記憶がボヤッとしているのですが、こういう神話があったのでしょうか?ご存知ですか?

写真の解説に戻りますと、私の愛する2つが同時に食べられるこの時期は最高です!!桃もイチジクも甲乙付け難い。

版絵 岩下加奈子(Mariquita)
版絵 岩下加奈子(Mariquita)

そして加奈子さんの版画。
この淡い色のイチジクの表皮。‥手こずったのでは‥(?笑)と、想像しながら眺める私。写真以上にその質感が伝わります。

ミルクティーなどちょっと温かいものが欲しくなるのもこの時期頃からでしょうか。

暑さと寒さでちょっと体調を崩しやすい頃ですから、皆様もどうかご自愛くださいね。

岩尾 真紀 (マリキータ東京フローリスト)

投稿者: 岩尾 真紀 (マリキータ東京フローリスト)

東京を拠点に活動する花屋/フラワーコーディネーター。主に企業のプロモーションや、広告、パーティー、レセプション装花や空間コーディネートを提案。1級フラワー装飾技能士、いけばな草月流師範、グリーンアドバイザー。美味しいもの、美しい物が大好きな人々があつまる"羽根木の森サロン"では定期的にお料理教室×花レッスンの五感で楽しむマリキータレッスンを開催。当サイトでの版絵は岩下加奈子(Mariquita)が担当。