可憐で控えめなホタルブクロ

版絵 岩下加奈子(Mariquita)
版絵 岩下加奈子(Mariquita)

私が憧れるのは「山野草」いつかこの子達を毎日愛でる事ができる様な庭を持つ事。気に入った苗を日本各地の「道の駅」で探し(ついでに土地の物を食べるのは忘れない)家に帰ったら土に植えてやる。

かなこさん、大暑の版画は「ホタルブクロ」です。
日陰を好むこの植物。釣鐘型の花が少しうつむき加減で咲く様は、この時期の王者ヒマワリと真逆をゆく控えめな風貌。真夏の太陽のもと、ヒマワリ王がビール片手に日焼けオイルをたっぷり塗って太陽に向かって大笑いしている頃…
軽井沢の木陰で直射日光を避けながらコケモモのビネガージュースをチューっと吸っている‥そんな可憐で控えめな娘さんです。

大暑ひまわり写真

昔は子供たちがこの袋状の花に「蛍」を入れて遊んだのだとか。だからホタルブクロ。

蛍といえば東京ではどこで見られるのかしら?
よし!今年は蛍狩りにいこう。しかし‥どこでしょう。早稲田の椿山荘が一番近いけれど何だか風情が‥。いつぞや沖縄の石垣島で見た大量の蛍の群生は多すぎて目が回りました。適量適所が好ましい。

版絵 岩下加奈子(Mariquita)
版絵 岩下加奈子(Mariquita)

夏前にあれこれ予定をたてるも、なかなか実行できない事多々。
一つは屋上、ベランダにある植物達の植え替えで、2、3年に一度できれば初夏の頃にする!!しかし‥毎年そう思いながら気づくと真夏到来となります。

ああ、今年も‥ごめんねぇ〜と。

夏は成長著しい彼らの土台を整えて上げる事。これから始まる酷暑対策に何より効果的なのに。わかっているけど怠け者には骨の折れる作業です。

春夏秋にはそれほど気にかけていない植物達への「水やり」もそろそろ必須で、ある程度管理しながら行わなければなりません。

★ 外の植物
晴れが続けばほぼ毎日。お日様が頭の上でカンカン照りになる前に行いましょう。なぜなら気温が上がってからの水やりは鉢の中の用土が既に蒸し風呂状態。そこに水を注ぐのですから冷たい水だってお湯になってしまいます。朝を逃したら夕方でもOK。

★ 室内の植物
週に1〜2回程度乾いたらたっぷり。受け皿に水を絶対に貯めない。植物を枯らす理由の一つが「根腐れ」です。多くの人がスーパー過保護。せっせと毎日“ちょっとずつ”水やりをするものだから、いつだって土がグズグズと湿っていて、根っこは徐々にドロドロに。

自然界では冠水システムはありません。雨が降れば潤うし、全く降らなければ枯れるのみ。厳しい状況に適合し、進化したもの達だけが生き残るサバイバルな環境です。

ああ、暑い!大暑の頃よスイカがうまい。
皆様も水分補給を忘れずに楽しい夏をお過ごし下さいね。

岩尾 真紀 (マリキータ東京フローリスト)

投稿者: 岩尾 真紀 (マリキータ東京フローリスト)

東京を拠点に活動する花屋/フラワーコーディネーター。主に企業のプロモーションや、広告、パーティー、レセプション装花や空間コーディネートを提案。1級フラワー装飾技能士、いけばな草月流師範、グリーンアドバイザー。美味しいもの、美しい物が大好きな人々があつまる"羽根木の森サロン"では定期的にお料理教室×花レッスンの五感で楽しむマリキータレッスンを開催。当サイトでの版絵は岩下加奈子(Mariquita)が担当。