寒いといって泣いてきた

Winter nature background with blocks of ice on frozen blue Sea

1年でもっとも寒いこの時期を「寒」と言います。寒風と降雪の時節で、寒さが厳しくなるころ、これから冬本番を迎えます。

小寒から始まるので、寒の入りとも。「小寒の氷、大寒に解く」つまり、小寒に張った氷が大寒に解けるほど、小寒のほうが寒いと感じることも多いそうです。立春の寒の明けまでの約1カ月は寒の内、体をいたわってあたたかく過ごしたい日々が続きます。

面白いのは寒四郎や寒九という言葉があること。文字通り寒四郎は小寒から4日目のことで、この日の天候がその年の麦作の収穫に影響があるとされ、麦の厄日とも言われるそう。また寒九は小寒から9日目、この日に降る雨は「寒九の雨」と呼ばれ、豊穣の兆しという言い伝えがあるそうです。

おおさむこさむ
山から小僧が
泣いてきた
なんといって泣いてきた
なんといって泣いてきた
寒いといって泣いてきた

これは昔から伝わる冬の寒さをテーマにした「おおさむこさむ」というわらべうた。こんな歌をうたっては、おしくらまんじゅうをしたりして、寒さを遊びに変えていたんですね。

投稿者: 望月 恭子 (季節のあるきかた編集部)

出版社勤務、フリーエディターを経て、出版・広告の企画・制作会社を設立、昨年創立25周年を迎えた。食品、美容、ファッションなど女性や生活に関わるテーマを幅広く扱う。編集を手がけた書籍、ムック本は40冊を越える。現在、専門学校で若い世代にマーケティングの基本などを教えている。