北国の「春告魚」がにしんなら、この魚の登場は日本列島にかけ足でやってくる春の訪れを報せてくれます。里山の幸、たけのこが出ると、相性良しのこの魚との炊き合わせが愉しみに。生食志向の強い現代でも、一尾まるごとの煮つけが人気のこの魚を選びなさい。
①アカムツ(ノドグロ)
②カサゴ
③キンメダイ
④メバル
解答:④メバル
解説:
目がパッチリと大きく、見張っているようなその姿から眼張(めばる)の名がある。全長30㌢ほどになり、北海道から九州までの海藻が豊富な岩礁域に群れですむメバルは、船からも堤防からも次々と釣れるため、釣り人に人気抜群の魚でもある。
たけのこが出回る木の芽時季を中心に初夏にかけて旬を迎えるが、脂がのって身がしまるこの時季のメバルは、ホロリと身離れする白身をもち、とろけるような旨みがある。刺身志向の強い近頃でも身がやわらかく、かつ骨ばなれがよいところから、尾頭つきの煮つけ、焼き魚が好まれる。
春の雨は、里山の幸にとっても恵みの雨。「旬」という言葉の語源ともいわれる筍(たけのこ)が出始めると、芳しい野の香りやしゃっきりした歯ごたえに、海の幸との競演が愉しみになる。春先の新わかめとは「若竹煮」に、はまぐりと合わせたお吸い物、またはまぐりの潮汁に筍ご飯の取り合わせ・・・と山海の幸の出合いものには事欠かないこの季節を歓びたい。そんななかで、メバルとの炊き合わせは思わず目を見張るほどのおいしさ。その相性の良さは、たけのこが出る季節においしくなるこの時季のメバルを「たけのこめばる」と呼ぶほどだ。
煮つけが定番のメバルは淡泊でクセがないゆえ、さまざまな料理にも使える。酒蒸しもそのひとつで、風味と旨みを増すためにメバルの下に昆布をしき、酒と出汁をかけ蒸し器で15分蒸し上げればできあがり。小ぶりのメバルなら、あんかけのから揚げもおすすめ。二度揚げすると、小骨まで食べられる。
メバルの色は金、黒、白、茶、青、赤など棲む場所によってさまざま。長らく体色の違いは個体差といわれてきたが、最近の研究で種の違いによるものということが明らかになり、メバルは3種に分けられた。胸びれの筋が15本はアカメバル。16本はクロメバル。17本はシロメバル。あなたにとっておなじみのメバルは何メバルだろうか。
色とりどりの体色をもつメバル
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