ミミズだって、オケラだって

tenohira

さて、3月に入り、少しずつ少しずつ、たとえば日溜まりの温もりに、たとえば木々のつぼみの膨らみに、春めいてきているのを感じるころになりました。

啓蟄とは、地中で冬ごもりをしていた虫たちが、早春の光を浴びて温もった土を啓き(ひらき)、這い出してくる、という意味です。
虫とはいっても、この場合はいわゆる昆虫だけではなく、蛇や蛙、蜥蜴など、土に潜んで冬を過ごすさまざまな生き物を指すのだそうです。
虫は苦手、蛇や蛙はもっと苦手でも、みんなが春を感じてもぞもぞと出てくる様はちょっと愛おしい感じがします。

僕らはみんな生きている。生きているから歌うんだ♪

この「手のひらを太陽に」を作詞したのは、アンパンマンでおなじみのやなせたかしさん。ミミズもオケラもアメンボもみんな生きている、みんな友だちと、小さき物への優しいまなざしを感じます。
土の中からひょっこり顔を出す、虫や蛙を見かけたら、「春だね、春がきたね」と声をかけたい、そんな啓蟄のころ、弥生3月の幕開けです。

投稿者: 望月 恭子 (季節のあるきかた編集部)

出版社勤務、フリーエディターを経て、出版・広告の企画・制作会社を設立、昨年創立25周年を迎えた。食品、美容、ファッションなど女性や生活に関わるテーマを幅広く扱う。編集を手がけた書籍、ムック本は40冊を越える。現在、専門学校で若い世代にマーケティングの基本などを教えている。