みなさん、春の七草はソラで唱える事ができますが、秋の七草は‥いかがでしょう?
「萩の花 尾花 葛花 瞿麦の花 女郎花 また藤袴 朝貌の花」
現代訳すると‥
萩、ススキ、クズ、ナデシコ、オミナエシ、またフジバカマ、キキョウ。
どれも楚々としていて地味。
まさに「地味の美学」の頂点のような花ばかり。
私が好きなのは桔梗と萩の花。
萩は僅かながらの甘い香りに小さな蜂が嬉しそうに飛び回ります。桔梗はぷっくりとした蕾からパカッと開く折り紙みたいな所が好きです。
オミナエシの花言葉は「約束を守る」とありますが、この黄色い小さな花には様々な物語があるようで面白そうです。
秋には秋の‘花活け’があり、中でも「秋の混ぜざし」と題目をつけるくらい、いけばなの世界ではこの時期限定で多数の花を混ぜて飾ります。色をミックスしても綺麗に見えるのは一種類一種類の花々がどれも控えめであるからこそ。
老舗和菓子屋さんの店先を覗いてみてくださいね。きっとこんな活け方をされている筈ですから。
しかし‥控えめな花々の中で強烈な個性を放つ子が一人います。
それは「鶏頭(ケイトウ)」の花。白露の“旬の花”でもあります。
ニワトリのトサカのようなその鮮烈な「色」と独創的な「形」、モフモフとした「質感」に魅了されついつい仕入れてはギフトフラワーにプラスします。まるで絵画のような仕上がりになる秋の花。
そろそろ花持ちも良くなってきましたね。
自分用にお花を買って飾りましょう。