蝉の声もデフォルトになり、日差しの強さにも慣れた頃。
季節はひっそりと秋になっているのですね。
毎年、お盆休みには自宅の前の道路で花火をしてもらいました。
なんの事はない手持ち花火ですが、その火薬の匂いは夏休みの楽しさと 終わりを感じさせる物悲しさを感じたものです。
そうそう。それから、お盆の頃といえばやっぱり鬼灯。
お供え用に祖母があつらえたホオズキの実は、やぶれないように中身がグズグズになるまで指で揉み、中の種と水分を出して綺麗な袋にしてもらいます。
もちろん。子供ですから力加減を知るわけも無く、途中で破れ飛び出るのが毎年の事。なぜか大人は上手にできて「ホオズキ」を鳴らしてくれました。
が、どんな音だったか‥。まったく記憶にございません。
結局‥笛をつくるのが楽しくて、音の事など記憶にない私。
今年も花市場にもホオズキが並んでいました。このオレンジ色は実を提灯に見立ててご先祖様をお迎えするのに使います。東京の盆はちょっと前だったけど、地方ではきっとお盆休みにたくさんのホオズキが並んだ事でしょう。
ホオズキの生産地で有名なのは大分県。
東京盆の頃には15万本で8月のお盆では50万本が出荷されているのだそうで、時代は変われども案外この風習は消えていんだなぁ‥とちょっと嬉しくなりました。
ホオズキは綺麗にドライフラワーになるので、コロリンと転がしていると絵になります。
版画の加奈子さんのホオズキ。
「たわわに実る感」を見事に表現しておられる。作者がとらえ、感じた被写体は作品を通して見る人、それぞれの目の違った視点で眺めるもの。
皆さんはどんな風に感じましたか?
そんな記事を書きながら‥。外がやけに騒がしい。
あら?鈴虫が鳴いている?
チンチロ チンチロ チンチロリーン‥