色彩鮮やかな、神様からのご褒美

版絵 岩下加奈子(Mariquita)
版絵 岩下加奈子(Mariquita)

立冬から立春の前日までが、「冬」。いよいよ寒さも本格的になってきましたね。

我が家の向かい、春には八重桜満開だった桜の木が赤とオレンジ色が混じった葉っぱを、ハラリ‥そしてハラリ、もひとつハラリと散らしています。

薄墨で描いたような‥ふわ〜と幻想的な桜の花々から眩い新緑、そして赤やオレンジ色に染まったかと思えば幹の荒々しい風貌が見えてきて、街の風景は立冬や立春、立夏立秋と呼ばれる四立は景色ががらりと変わります。

さてさて、桜、銀杏を始めプラタナスなどなど色づいた木々。
いわゆる「紅葉」です。でも‥皆さんこれをどう読みますか?

真っ赤に色づいたモミジの木。漢字で書くと「紅葉(もみじ)」と書きますが、普通に読めば「こうよう」ですよね。

では、何故でしょう?「こうよう」と書いて「もみじ」と読むのか。

そもそも私たちの頭に浮かぶ「もみじ」は楓(かえで)という落葉樹。その楓の中で色づく葉の種類をもった品種だけを「紅葉(もみじ)」と呼んでいるのです。

日本では特にイロハモミジが有名で、錦(にしき)に染まったモミジの葉っぱを愛でる為に日本各地で紅葉狩りが楽しまれている事でしょう。 また和食の一皿に赤やオレンジ色に染まった葉っぱを一枚、二枚乗せれば‥それだけで芸術的な一皿に変身します。(先日親戚のあつまりで訪れた日本料理屋さんで感動しました!お刺身の上にハラリと置かれたモミジの葉っぱが食欲を刺激!)

眺めるInstagramやFacebookにも沢山の紅葉写真が日々アップされています。青空に映える黄色やオレンジ、赤の木々はこれからやって来る寒い寒〜い冬を目の前に私たちに与えられた神様からのご褒美。

どうか、この一瞬の、色彩鮮やかな世界を眺める為外に飛び出してくださいね。

版絵 岩下加奈子(Mariquita)
版絵 岩下加奈子(Mariquita)

版画の加奈子さん。紅葉の葉のグラデーションってどうやるの?

そういえば一昨日頂いた仕事現場のお弁当。モミジの形のお麩は手仕事が細かくて黄色、オレンジ、ちょっと緑色に色付けされた飾り麩がなんとも愛らしかったのです。疲れた体に癒し+ちょっとアートな風が吹きました。

岩尾 真紀 (マリキータ東京フローリスト)

投稿者: 岩尾 真紀 (マリキータ東京フローリスト)

東京を拠点に活動する花屋/フラワーコーディネーター。主に企業のプロモーションや、広告、パーティー、レセプション装花や空間コーディネートを提案。1級フラワー装飾技能士、いけばな草月流師範、グリーンアドバイザー。美味しいもの、美しい物が大好きな人々があつまる"羽根木の森サロン"では定期的にお料理教室×花レッスンの五感で楽しむマリキータレッスンを開催。当サイトでの版絵は岩下加奈子(Mariquita)が担当。