たけのこが出始めるとおいしくなる

130メバル

北国の「春告魚」がにしんなら、この魚の登場は日本全国に春の到来を報せてくれます。
里山の幸、たけのこが出ると、相性良しのこの魚との炊き合わせが愉しみに。生食志向の強い現代でも、尾頭つきの煮つけが人気のこの魚を選びなさい。
① かさご
② きじはた
③ のどぐろ
④ めばる

解答:④めばる
解説:目が丸く飛び出しそうに大きいために、その名がついたといわれる眼張(めばる)。
しまった白身は淡白な味わいだが、いまの時季のめばるは脂がのり、とろけるような旨みがある。刺身志向の強い現代でも身が柔らかく、かつ骨ばなれがよいところから、尾頭つきの煮つけ、焼き魚が好まれる。
春の雨は、里山の幸にとっても恵みの雨。「旬」という言葉の語源といわれる筍(たけのこ)が出始めると、芳しい野の香りやしゃっきりした歯ごたえに、今年もまたこの季節が訪れたんだ、という想いに満たされる。
そのたけのこが出る季節においしくなるからこの時季のめばるを「たけのこめばる」とも呼び、めばるをたけのこと炊き合わせた「たけのこめばる」とも。
たけのこが競演する相手はめばるに限らず、春先の新わかめとは「若竹煮」に、はまぐりと合わせたお吸い物、またはまぐりの潮汁にたけのこご飯の取り合わせ・・・と山海の幸の出合いものには事欠かないこの季節を歓びたい。
日本各地に生息するメバルは早春の船釣りの対象として親しまれ、釣り人たちにとっても春告魚である。

尾山 雅一 (日本さかな検定代表理事)

投稿者: 尾山 雅一 (日本さかな検定代表理事)

平成21年、一般社団法人 日本さかな検定協会を立ち上げる。自ら日本各地をめぐり、検定の副読本執筆まで手がける魚食文化発信のエキスパート。 日本さかな検定(愛称:ととけん)とは、近年低迷が続く日本の魚食の魅力再発見と、地域に根ざす豊かな魚食文化の継承を目的として2010年から検定開催を通し、思わず誰かに伝えたくなる魚介情報を発信する取り組み。 2010年の第1回を東京・大阪で開催、2015年には全国12会場まで拡大。小学生から80歳代まで累計2万名を超える受検者を47都道府県から輩出。今年は6月25日(日)に札幌(初)・石巻・東京・静岡・名古屋・大阪・兵庫香美(かみ・初)・宇和島・福岡ほかの各会場で開催予定。