そのひとすじの気持ちに

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春分とは、太陽がちょうど黄径0度(春分点)に到達した瞬間のこと。太陽が真東から昇って真西に沈み、昼と夜がほぼ同じ長さになります。

いよいよ、本格的な春の到来、陽射しも日一日と強くなり、全国からさくらの開花の便りが届きはじめます。ヨーロッパなどでも、春分をもって春の始まりとしているそう。ちなみに、この「春分の日のあとの、最初の満月から数えて最初の日曜日」がイースター。今年は3月27日になるそうです。

でも日本ではやっぱり春はさくら。あの儚くも美しい花を見ると、「ああ、今年も春が来たんだなあ」と誰もが実感することと思います。

綺麗な桜の花をみていると
そのひとすじの気持ちにうたれる

これは20世紀の初頭の詩人、八木重吉の『貧しき使徒』に収められた「桜」という詩。わずか2行の詩でありながら、日本人なら、誰でもその情景が浮かんでしまうのはなぜなんだろう、それはひょっとして日本人に流れるDNAのなせる技なのかもしれません。歌にも詩にもさくらを題材にしたものは、本当にたくさんあり、やはりさくらには心の原点としての役割があるように思います。

投稿者: 望月 恭子 (季節のあるきかた編集部)

出版社勤務、フリーエディターを経て、出版・広告の企画・制作会社を設立、昨年創立25周年を迎えた。食品、美容、ファッションなど女性や生活に関わるテーマを幅広く扱う。編集を手がけた書籍、ムック本は40冊を越える。現在、専門学校で若い世代にマーケティングの基本などを教えている。